2010年9月10日金曜日

日本天文協議会が発足

2010年9月9日木曜日は、日本の天文界にとって画期的な日となった。
国内天文関連団体の大連立ともいえる「日本天文協議会」が発足したのだ。

9月9日17時、国立天文台の大会議室に、8つの団体の代表者が続々と集結、
設立総会が開かれた。

出席団体は、世界天文年2009日本委員会の構成団体のうち7団体と、
さる6月の設立準備会で推薦された「星空を守る会」を加えた8団体。

日本天文愛好者連絡会(JAAA)
自然科学研究機構 国立天文台(NAOJ)
星空を守る会(JDA)
天文教育普及研究会(JSEPA)
日本公開天文台協会(JAPOS)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
日本プラネタリウム協議会(JPA)
日本天文学会(ASJ)

会議のセッティングは、世界天文年2009日本委員会事務局が担い、設立総会にも同席した。

設立総会では、出席したすべての団体が、協議会の会員となることを表明し、
この協議会を正式に発足させ、全団体が運営にあたることに合意した。

会長は海部宣男氏。この合同組織の結成を呼びかけた発起人代表である。



日本委員会と、協議会の大きな違い。
それはアマチュアの参画である。

どういうことか。

天文の世界、いろいろな方がいらしゃるが、
研究職の人や、研究機関の職員、社会教育や学校教育を仕事とする人、
天文普及を職務とする施設職員などを、とりあえず「プロ」と括るならば、
趣味として活動している人や、ボランティア、サークル活動、星好き宇宙好きなど
いわゆるファンは、「アマチュア」と称される。

振り返ろう。世界天文年を盛り上げたのは誰か。
もちろんプロもがんばったが、アマチュアの力なしには、この成功はあり得なかった。

これからは、世界天文年の良かったところを発展させ、
プロもアマも一体となって、団体の枠を越えた活動をしていこう、
というのが、日本天文協議会、なのである。

世界天文年の良かったところ。
それは例えば団体間の連携が史上初めて実現したこと。
それは例えば全国各地の草の根の活動を支援したこと。
それは例えば今までになかった情報発信ができたこと。

これらを実現させていくのは、協議会という枠組みが唯一の解では
ないかもしれないが、おそらく最短の道ではあるだろう。

世界天文年と同じようにはならないだろう。
ある側面は形を変え、ある側面はフェードアウトするかもしれない。
足りないものもあるだろう。長い目で見守っていただくことも、必要だろう。

しかしいま、目の前で確かに起こったことは、
世界天文年の産み落とした卵が孵化し、
記念すべき、第一歩を踏み出した。

そんな感じである。